Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Lisez 花も刀も (はなもかたなも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 364 caractères · 178 écrans
「うれしいわ」と、お豊は深喜の顔を見るなり云って、あざやかに、眼のまわりをぼっと染めた。
「来て下すったのね、あたし来て下さらないかと思っていたのよ、うれしいわ」
たて続けにいいながら、長襦袢の袖口で眼を押えた。
お豊は夜具の上に坐っていた。その夜具は大きく厚く、嬌かしい色のもので、脇に小さな茶箪笥と長火鉢があるため、深喜は坐り場に困った。お豊もそれに気がつき、あらごめんなさいと、立って夜具を裾のほうからたたみ、納戸から座蒲団を出して、長火鉢の横へ置いた。
「あのときのことは堪忍して下さい」
深喜が坐ると、お豊は手をついていった。
「済んだことは忘れよう」と、深喜が云った、「幸坊からあらまし聞いたが、起きていていいのか」
「いまお医者さんが来て帰ったところなんです、寝ていろってうるさく云われるんですけれど、どこも痛くもなんともないのに寝ているなんて辛いんですよ」
「どこが悪いんだ」
「労咳でしょ、医者はそう云わないけれど、あたしにはわかっているんです」
「いけないな――」
深喜は、呟くように云った。
お豊は、ずっとおとなびている。顔色もいいし、痩せたようにもみえない。