Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Lisez 花も刀も (はなもかたなも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 364 caractères · 178 écrans
まるで病みあがりのように顔色が悪く、月代も髭も伸び、角張った顔の頬は、そいだようにこけていた。
「女を返せ」と、肥えたほうの若者が喚いた、「洒落たまねをすると、生かしちゃあおかねえぞ、うぬはいってえなんだ」
「そこをどけ」
と、もう一人がいった。
二人とも息せききっていて、はっはっと苦しそうに、喘ぎながらの叫びだから、凄みもなし、威しもきかなかった。幹太郎は刀を差している男に向って「貴方が本野という人か」と訊いた。男は「そうだ」と答えた。
「御浪人のようですね」と、また幹太郎が訊いた。
「要らぬ詮索だ」と、本野が叫んだ。
幹太郎は振返って、お豊と幸坊の姿が、見えないのをたしかめると、左手でぐっと刀をそらしながら、自分も浪人同様の身の上だ、侍と侍で話をしよう、と云った。
「この野郎なめるな」と、肥えた若者が喚いた。
おれは『てっぽう安』というちっとは顔を売った男だ、相手はおれだ、なめるな、とその若者は喚きたてた。幹太郎はちょっと見ただけで、また本野という浪人者に云った。
「私はあのお豊という娘に恩があるのです、それを三平という男が難題をふきかけるものだから、些か恩返しのつもりで伴れて出たのです」