Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Lisez 花も刀も (はなもかたなも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 364 caractères · 178 écrans
という知らせだった。
「すぐにですか」
「だと思いますね」と、久三郎が云った、「よろしければ、私が案内します」
「では暫く」
幹太郎は戻って、平八にその旨を告げ「待っていてくれ」と云った。いいとも、と平八は頷いた。いまの件についてだな。うん、たぶんそうだろうと云いながら、幹太郎は納戸から袴を出してはいた。
「遠藤とはどういう人だ」
「この下屋敷の年寄役だ、名は帯刀と云って、なかなか頑固でむずかしいじいさんだよ」
「いい話に相違ないぞ」
「どうだかな」
幹太郎は顔をそむけた。
平八も口をつぐんだ。去年十二月の「おさめ試合」のときのことを思いだしたのである。幹太郎が筆頭代師範まで勝ちぬいて、まちがいなく出頭と思い「おめでとう」と祝った。幹太郎も「捕らぬ狸の皮算用はよそう」といいながら、むろんそれを期待していた。ところが実際はまったく逆で、彼は淵辺道場を追われる結果になった。いま平八が「いい話だぞ」と云ったとき、幹太郎もそれを思いだしたのであろう。顔をそむけた彼の態度で、平八もそのことに気づき、なにやら悪い前兆のように感じて、口をつぐんだのであった。
出て行った幹太郎は、四半刻(三十分)あまりで戻った。