Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Lisez 花も刀も (はなもかたなも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 364 caractères · 178 écrans
「それはそうね」
「もちろん、倹約してのはなしだがね」
「それはそうよ」と、お豊は立ちあがった、「とにかくお祝いに一杯飲みましょう、いそいでなにか、みつくろって来るわ」
「私は、いいんだぜ」
自分は済ませて来た、と云おうとしたが、お豊は聞きながしにし、「お勝手が汚れているから見ないでね」と云って出ていった。
「――まあいいさ」と、幹太郎は独り言を云った。
二十五両が一と月分でなく、一年分だと聞いたときの(お豊の)あからさまにがっかりした顔が、幹太郎にかなしい失望を与えた。それはたいした報酬ではないかもしれない。特に故郷の家へ補助しなければならないのだから、にわかに生活が楽になるわけではない。
――だが、せめて正師範にあげられたことだけでも、よろこんでもらいたかった。
正直にいって、それが幹太郎を失望させたし、不満でもあり、かなしかった。
「まあいいさ、お豊は育ちが違うんだ、お豊のように暮して来た者に、金がなにより頼りだということはやむを得ないかもしれない」
彼はそう呟いて、自分をなだめた。
お豊が出てゆくと、すぐに、幸坊が帰って来た。幹太郎は(『山源』での)ほんのひと口の酒が、まだきいているとみえ、体がだるいし喉が渇いていた。