Classiques japonais avec furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans
」
「お屋敷方でも滅多にこんな名木は見られますまい。」と種員も今は銜煙管のまま庭の方へ眼を移したが突然思い出したように、「先生。こういう盆栽なんぞはいかがなものでしょう。当節じゃやはり雛人形や錦絵なんぞと同じように表向には出せない品なんで御座いましょうか。」
「勿論そのはずだろうさ。」と種彦は無造作にいい捨てて銀の長煙管で軽く灰吹を叩いた。
「へーえ。やっぱり不可ないんで御座いますかね。こうなると手前共にゃどうもお上の御趣意が分りかねます。」
「なぜさ、無益なものに贅を尽すなと申すのではないか。」
「それがで御座りますよ。大きな声では申されませぬが私共の考えますには無益なものに手数をかけて楽しんでいられるようなら此様結構な事はないじゃ御座いませんか。天下太平国土安穏なりゃアこそ楽しんでおられるんで御座います。もしこれが明暦の大火事や天明の飢饉のような凶年ばっかり続いた日にゃ、いくら贅沢がいたしたくてもまさかに盆栽や歌俳諧で日を送るわけにも行きますまい。ところが当節の御時勢は下々の町人風情でさえちょいと雪でも降って御覧じろ、すぐに初雪や犬の足跡梅の花位の事は吟咏みます。