Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans
いずれも竜子の生れない前から出入していた人たちで、もう髪の白くなっていないものは一人もない。
橘屋という呉服屋の番頭は長年母の実家の御出入であった関係から母の嫁入した先の家まで商いを弘めたのである。差配人の高木というのは亡った主人が経営していた会社の使用人で長年金庫の番人をしていた堅い老人である。植木屋は雑司ヶ谷から来る五兵衛という腰のまがった爺であったが、竜子が丁度高等女学校へ進もうという前の年松の霜よけをしに来た時、徴兵から戻って来た亀蔵という伜を連れて来て、自分は年を取って仕事に出られなくなったからこの後は親爺同様に伜をお使い下さるようにと頼んで行った。長年かかりつけの桑島先生が老病で世を去ったのもやはりその頃であった。
竜子は或日学校から帰って来た時、前夜からすこし風邪をひいていた母の枕元に年の頃は三十四、五とも見える口髭のうつくしい見知らぬ医者の坐っているのを見た。竜子は桑島先生の死後その代りに頼むべき医者のことはまだ一度も母から聞いていなかったので、その日突然見知らぬ若い医者の姿を目にした時、竜子は何のわけもなく、この医者も丁度植木屋の五兵衛が伜の亀蔵を頼んで行ったように、桑島先生の生きていた時からその代りとして推薦されたものであろうと思った。