Classiques japonais avec furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans
蓄音機が絶え間なく鳴響いている中から、やがて「お客様ア」と呼ぶ声につれて、二人連の客が三、四人の女給に取巻かれ、引摺り上げられるように階段を上って来た。酔ってはいないが、客も女給も諸共に酔倒れるように片隅のボックスに腰を落すと、二階にいる六、七人の女が一度に立ってそのまわりを取巻く中に、一人の女が麦酒二、三本を持ち運びながら、「いいのよ。口あけじゃないか。」とお客を叱りつけた。
「飲むよりか早く芸当をしろ。」と客が怒鳴ると、「飲まなくっちゃ気分が出ないんだよ。」とまた叱りつけた。
暫くする中ボックスにはお千代を入れて三人の女給が居残った。一人の客は洋装した一人の女給を膝の上に抱きあげ、和装した他の女給の袖口へ手をいれる。それを見て、連の一人がぐっとお千代を引寄せて同じように手を入れかけたが、「何だ、こいつは。いやに用心していやがる。」と言って傍の方へ突き退けた。
お千代はこの店の女がいずれも着物を素肌に着ている事を知らなかったので、何の事だかわけが分らない。すると洋装の女が、こっちの客の方へ廻って来て、
「この人は今日来たばっかりなのよ。あんまりいじめないでよ。