Classiques japonais avec furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans
この形相を障子越しに後から照す電燈の光にちらと見た瞬間、重吉は化物かと思ったのである。
外へ逃げ出した玉子が隣の人をつれて来た。やがて近処の医者が呼ばれて来たが、その診察によると老婆の病は歯根骨膜炎といって、口腔外科の医者に手術をしてもらわなければならないという事であった。仕方がないので重吉は玉子と共に四谷の大通へ出て、やっと歯医者をさがし、再び診察してもらうと、今度はいよいよ重症ということで、歯科医が附添って慶応義塾の病院へ患者を送った。
医者のはなしでは顎骨を腐蝕した病毒が脳を冒せば治療の道がないとのことである。重吉が玉子と共に病院を出たのはその夜も十時を過ぎた頃である。
「玉ちゃん、今夜は実に変な晩だな。荒木の婆さんはきっと助かるまいよ。」
「そうかも知れないわね、あの様子じゃア……。」
「内のやつもどうかしたかも知れない。」
途中で乗った円タクを硝子屋の店先へつけさせ、裏口から二階へ駈上って、貸間の襖を明けかけると、中にはいつの間にか夜具が敷いてあって、後向きに寐ているお千代の髪が見えた。重吉も玉子も、自動車か何かで怪我をしたものと思込んで、覚えず大きな声で、