Classiques japonais avec furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans
急いで追付いて手を引張ったけれど、また押返されて、くッついたり離れたりして四、五間歩いて行ったのよ。少し人のすいた処へ来たから、ぴったりくッついて、あなたと言って横顔を見ると、どうでしょう。違った人じゃないの。帽子も二重廻も背恰好も後から見るとまるで同じなんだけれど、違った人なのさ。わたし、あんまり気まりがわるいんで、失礼とも何とも言えないで、真赤になって唯お辞儀をしたわ。すると、その男の人は笑いながらわたしの手を握って、「もう歩いてもつまらないから、円タクで行きましょう。」と道端にいる円タクを呼んで、まるで自分の女見たようにわたしを載せて行こうとするのよ。運転手は戸をあけて待っているし、人通りの込んでいる中だし、愚図々々言い合うのもかえって見っともないと思って、一緒に円タクに乗ってしまったのさ。浜町まで五拾銭だと言って、それから男の人はわたしの耳に口を寄せて、「あなた、毎晩銀座を歩くのか」ッていうのさ。わたしのことを街娼だと思ったのよ。別に申訳するにも及ばないから、だまって向うの言うようにしていたのさ。」
「お前もなかなか敏捷くなったよ。話はそれから先が聞きものだ。