Classiques japonais avec furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans
をひろげて見て、「根津の松岡がやられたんだ。芳沢旅館の事は出ていないが、やッぱりその巻添いだろう。」
「女じゃ誰が挙げられたの。」
「本郷区富坂町、太田てつ。大塚辻町宮原こう。赤坂区氷川町吉岡つゆ……。」
「吉岡さんもやられて。あなた。知ってるでしょう。せいのあんまり高くない、洋装した人……。」
「うむ。谷町にいた時分家へ泊ったあれか……。まだ大分いるぜ。」と重吉は『毎夕』をお千代に渡し、自分は『国民』の方を開いたが、お千代は往来の人目を憚って新聞を畳みながら、
「松岡へ出入するのは安玉ばかりだからね。」
「お前、行ったことがあるのか。」
「二、三年前のことだわ。客種もぐっと落ちるわね。あすこは。」
広小路へ曲ると、夜店が出揃って人通りも繁くなったので、二人はそのまま話をやめて雷門まで来た。
「お前、これからどうする。行く処があるのか。」
「そうね。ちょっと浜町へ行こうかと思ってるのよ。そら、昨夜話をした銀座のお客さ。わたしをストリートだと思って、連れて行ったお客さ。その時今夜来てくれって、約束したから。」
「時節柄大丈夫か。」
「浜町公園の側だし、今までわたしたちの知らない家だから、その心配はないわ。