Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あめしょうしょう

雨瀟瀟・雪解 他七篇

永井 荷風

Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

わたくしの母は久しい以前からわたくしと同じような生活をしていたのです。ある時にはわたくしと母とは同じ家に泊った事さえあったはずなのですが、わたくしたちはお互にそれを知らずにいたのです。わたくしは母とは知らずに仲間のものから年増の橘千代子さんという女の噂を幾度も聞いたことさえありました。(橘千代子というのは母の偽名なのです。)またわたくしの友達のつゆ子という女が二、三年前、母が麻布の谷町にいた時分、雨にふられて一晩その家に泊ったことさえあったのです。それだのにわたくしたちはお互に出会う機会もなく、またお互に知り合う機会もなかったのです。東京は実にひろいところだと思いました。

二、三日前につゆ子さんが突然たずねて来て、是非わたくしに逢いたいという人があるが逢ってくれるかどうかというのです。つゆ子さんは去年の暮わたくしたちと一緒に罰金を取られてから、今では銀座四丁目裏のカルメンというバアに働いています。わたくしはつゆ子さんのはなしを聞いてびっくりしました。ほんとうの母がわたくしと同じようなことをしている女だと知った時、わたくしは悲しいと思うよりも、嬉しいといっては変ですが、何だか親しみのあるような心持がしたのです。