Classiques japonais avec furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans
町に育った今の女は井戸を知らない。刎釣瓶の竿に残月のかかった趣なぞは知ろうはずもない。そういう女が口先で「重井筒の上越した粋な意見」と唄った処で何の面白味もない訳だ。「盛りがにくい迎駕籠」といったところで何の事だかわかりはしない。分らない事に興味の起ろうはずはない。『五元集』の古板は其角自身の板下だからいくら高くてもかまわない買いたいと思うのはわれわれの如き旧派の俳人の古い証拠で、新傾向の俳人には六号活字しか読めないのだから木板の本はいらない訳だ。今の芸者が三味線をひくのは唯昔からの習慣と見ればよい。丁度新傾向の俳人がその吟咏にまだ俳句という名称を棄てずにいるのと同じようなものだ。僕はもう事の是非を論じている時ではない。それよりかわれわれは果していつまでわれわれ時代の古雅の趣味を持続して行く事ができるか、そんな事でも考えたがよい。僕の会社でもいよいよ昨夜から同盟罷工が始った。もう夕刊に出る時分だが今日はそんな騒で会社は休みも同然になったのでもっけの幸と師匠を呼んで二、三段さらったわけさ。」
ヨウさんは溜池の三河屋へ電話をかけわたしに晩餐を馳走してくれた。