Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あめしょうしょう

雨瀟瀟・雪解 他七篇

永井 荷風

Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

、経文修業も追々おろそかに相なり、果は唯うか/\とのみ月日を送り申候。或夜いつもの如く品川宿よりの帰り途、連の者にもはぐれ、唯一人牛町の一筋道を大急ぎに歩み参候と思の外何処まで行き候ても同じやうなる街道にて海さへ見え申さず候故、これはてつきり、狐のわるさなるべしと心付き足の向次第、唯有る横道に曲り候処、いよ/\方角を失ひ、かつはまた夜も次第にふけ渡り、月も雲間に隠れ候故、聊か途法に暮れ、路端の草の上に腰をおろし、一心に念仏致をり候処、突然彼方より女の泣声聞え来り候間弥妖魔の仕業なるべしと、その場にうづくまり、歯の根も合はず顫へをり候に、やがて男の声も聞え、人の跫音次第に近づき来るにぞ、此方は生きたる心地もなく繁りし草むらの間にもぐり込み、様子如何と窺をり候処、一人の侍無理遣りに年頃の娘を引連れ参り、隙を見て逃出さむとするを草の上に引据ゑ、最前よりいろ/\事の道理を分けて御意見申上候得ども、御聞入れ無之候得者、是非なき次第に候間、このまゝ手足を縛りてなりとお屋敷へ連れ帰り、御不憫ながら不義密通の訴をなし申べしと、何やら申聞しをり候処へ、また一人の侍息を切らして駈来り、以前の侍に向ひ、今夜の事は貴殿より外には屋敷中誰一人知るものも無之事に候なり。