Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Leggi 三国志(一) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 309.839 caratteri · 622 schermate
五
おやじはにわかに、態度を変えて、張飛の飲みたい放題に、酒をつぎ鶏の丸揚げも出した。
張飛は、丸揚げを見ると、
「こんな、鶏の乾物など、おれの口には合わん。おれは動いている奴を喰いたいのだ」
と、そこらにいる鶏をとらえようとして、往来まで追って行った。
鶏は羽ばたきして、彼の肩を跳び越えたり、彼の危うげな股をくぐって、逃げ廻ったりした。
すると、しきりに、村の軒並を物色してきた捕吏が、張飛のすがたを認めると、率きつれている十名ほどの兵へにわかに命令した。
「あいつだ。ゆうべ関門を破った上、衛兵を殺して逃げた賊は。――要心してかかれ」
張飛は、その声に、
「何だろ?」と、いぶかるように、あたりを酔眼で見まわした。一羽の若鶏が彼の手に脚をつかまえられて、けたたましく啼いたり羽ばたきをうっていた。
「賊っ」
「遁さん」
「神妙に縄にかかれ」
捕吏と兵隊に取囲まれて、張飛ははじめて、おれのことかと気づいたような面もちだった。
「何か用か」
まわりの槍を見まわしながら、張飛は、若鶏の脚を引っ裂いて、その股の肉を横にくわえた。
五
酔うと酒くせのよくない張飛であった。それといたずらに殺伐を好む癖は、二つの欠点であるとは常々、雲長からもよくいわれていることだった。