Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Leggi 三国志(一) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 309.839 caratteri · 622 schermate
二
そうか」とのみで、彼の愁眉はひらかれなかった。
彼もまた、
「細く長く喰え」
と、兵糧方に厳命した。
自然――
双方の戦争はやんでしまった。
いなごが、人間の戦争を休止させてしまったのである。
とはいえ。
また、春は来る、夏は巡って来る。大地は生々と青い穀物や稲の穂を育てるであろう。いなごは年々襲っては来ないが、人間同士の戦争は、遂に、土が物を実らせる力のある限り永劫に絶えそうもない。
二
ここに、徐州の太守陶謙はまた、誰に我がこの国を譲って死ぬべきや――を、日ごと、病床で考えていた。
「やはり、劉備玄徳をおいては、ほかにない」
彼はもう年七十になんなんとしていた。ことにこんどは重態である。自ら命数を感じている。けれど、国の将来に安心の見とおしがつかないのが、なんとしても心の悩みであった。
「お前らはどう思う」
枕頭に立っている重臣の糜竺、陳登のふたりへ、鈍い眸をあげて云った。
「ことしは、いなごの災害のために、曹操は軍をひいたが、来春にでもなればまた、捲土重来してくるだろう。その時、ふたたびまた、呂布が彼の背後を襲うような天佑があってくれれば助かるが、そういつも奇蹟はあるまい。