Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Leggi 三国志(一) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 309.839 caratteri · 622 schermate

Aozora Bunko

義盟

一

春は桃園ばかりでなく、貧しい劉家の台所に訪れてきたように思われた。

義盟

一

桃園へ行ってみると、関羽と張飛のふたりは、近所の男を雇ってきて、園内の中央に、もう祭壇を作っていた。

壇の四方には、笹竹を建て、清縄をめぐらして金紙銀箋の華をつらね、土製の白馬を贄にして天を祭り、烏牛を屠ったことにして、地神を祠った。

「やあ、おはよう」

劉備が声をかけると、

「おお、お目ざめか」

張飛、関羽は、振向いた。

「見事に祭壇ができましたなあ。寝る間はなかったでしょう」

「いや、張飛が、興奮して、寝てから話しかけるので、ちっとも眠る間はありませんでしたよ」

と、関羽は笑った。

張飛は劉備のそばへきて、

「祭壇だけは立派にできたが、酒はあるだろうか」

心配して訊ねた。

「いや、母が何とかしてくれるそうです。今日は、一生一度の祝いだといっていますから」

「そうか、それで安心した。しかし劉兄、いいおっ母さんだな。ゆうべからそばで見ていても、羨しくてならない」

「そうです。自分で自分の母を褒めるのもへんですが、子に優しく世に強い母です」

「気品がある、どこか」

「失礼だが、劉兄には、まだ夫人はないようだな」