Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Leggi 三国志(一) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 309.839 caratteri · 622 schermate

Aozora Bunko

三国志

黄巾賊

一

黄巾賊

一

後漢の建寧元年のころ。

今から約千七百八十年ほど前のことである。

一人の旅人があった。

腰に、一剣を佩いているほか、身なりはいたって見すぼらしいが、眉は秀で、唇は紅く、とりわけ聡明そうな眸や、豊かな頬をしていて、つねにどこかに微笑をふくみ、総じて賤しげな容子がなかった。

年の頃は二十四、五。

草むらの中に、ぽつねんと坐って、膝をかかえこんでいた。

悠久と水は行く――

微風は爽やかに鬢をなでる。

涼秋の八月だ。

そしてそこは、黄河の畔の――黄土層の低い断り岸であった。

「おーい」

誰か河でよんだ。

「――そこの若い者ウ。なにを見ているんだい。いくら待っていても、そこは渡し舟の着く所じゃないぞ」

小さな漁船から漁夫がいうのだった。

青年は笑くぼを送って、

「ありがとう」と、少し頭を下げた。

漁船は、下流へ流れ去った。けれど青年は、同じ所に、同じ姿をしていた。膝をかかえて坐ったまま遠心的な眼をうごかさなかった。

「おい、おい、旅の者」

こんどは、後ろを通った人間が呼びかけた。近村の百姓であろう。ひとりは鶏の足をつかんでさげ、ひとりは農具をかついでいた。