Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Leggi 三国志(一) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 309.839 caratteri · 622 schermate
「ほほう……。将軍はそんな非難を怖れていたんですか。世間は、ちっとも知らないことですのに」
「なぜ」
「でも、でも、将軍の姓は呂、老賊の姓は董でしょう。聞けば、鳳儀亭で老賊は、あなたの戟を奪って投げつけたというじゃありませんか。父子の恩愛がないことは、それでも分ります。ことに、未だに、老賊が自分の姓を、あなたに名乗らせないのは、養父養子という名にあなたの武勇を縛っておくだけの考えしかないからです」
「ああ、そうか。おれはなんたる智恵の浅い男だろう」
「いや、老賊のため、義理に縛られていたからです。今、天下の憎む老賊を斬って、漢室を扶け、万民へ善政を布いたら、将軍の名は青史のうえに不朽の忠臣としてのこりましょう」
「よしっ、おれはやる。必ず、老賊を馘ってみせる」
呂布は、剣を抜いて、自分の肘を刺し、淋漓たる血を示して、王允へ誓った。
三
呂布の帰りを門まで送って出ながら、王允は、そっとささやいた。
「将軍、きょうのことは、ふたりだけの秘密ですぞ。誰にも洩らして下さるな」
「もとよりのことだ。だが大事は、二人だけではできないが」
「腹心の者には明かしてもいいでしょう。