Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Leggi 三国志(一) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 309.839 caratteri · 622 schermate
四
雲長は気の毒になって、彼の好きな酒を出して与えたが、
「いや、今夜は飲まん」
と、張飛はすっかり無口になって、その晩は、雲長の家で寝てしまった。
夜が明けると、学舎に通う村童が、わいわいと集まってきた。雲長は、よく子供らにも馴じまれていた。彼は、子どもらに孔孟の書を読んで聞かせ、文字を教えなどして、もう他念なき村夫子になりすましていた。
「また、そのうちに来るよ」
学舎の窓から雲長へいって、張飛は黙々とどこかへ出て行った。
四
むっとして、張飛は、雲長の家の門を出た。門を出ると、振向いて、
「ちぇっ。なんていう煮え切らない漢だろう」と、門へ罵った。
楽しまない顔色は、それでも癒えなかった。村の居酒屋へくると、ゆうべから渇いていたように、すぐ呶鳴った。
「おいっ、酒をくれい」
朝の空き腹に、斗酒をいれて、張飛はすこし、眼のふちを赤黒く染めた。
やや気色が晴れてきたとみえて居酒屋の亭主に、冗戯などいいだした。
「おやじ、お前んとこの鶏は、おれに喰われたがって、おれの足もとにばかりまとってきやがる。喰ってもいいか」
「旦那、召しあがるなら、毛をむしって、丸揚げにしましょう」