Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Leggi 三国志(五) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 325.249 caratteri · 653 schermate
三国志
出廬
一
出廬
一
十年語り合っても理解し得ない人と人もあるし、一夕の間に百年の知己となる人と人もある。
玄徳と孔明とは、お互いに、一見旧知のごとき情を抱いた。いわゆる意気相許したというものであろう。
孔明は、やがて云った。
「もし将軍が、おことばの如く、真に私のような者の愚論でもおとがめなく、聴いて下さると仰っしゃるなら、いささか小子にも所見がないわけでもありませんが……」
「おお。ねがわくは、忌憚なく、この際の方策を披瀝したまえ」
と、玄徳は、襟をただす。
「漢室の衰兆、蔽いがたしと見るや、姦臣輩出、内外をみだし、主上はついに、洛陽を捨て、長安をのがれ給い、玉車に塵をこうむること二度、しかもわれら、草莽の微臣どもは、憂えども力及ばず、逆徒の猖獗にまかせて現状に至る――という状態です。ただ、ただ今も失わないのは、皎々一片の赤心のみ。先生、この時代に処する計策は何としますか」
孔明は、いう。
「されば。――董卓の変このかた、大小の豪傑は、実に数えきれぬほど、輩出しております。わけても河北の袁紹などは、そのうちでも強大な最有力であったでしょう。――ところが、彼よりもはるかに実力もなければ年歯も若い曹操に倒されました」