Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Leggi 三国志(五) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 325.249 caratteri · 653 schermate
三
「わたくしを、首に?」
「…………」
「首にしてもですって?」
「……いや、その、失言しました。玄徳のほうをです」
「おだまりなさい!」
「はっ」
「この身に刃を擬すも、わが夫に刃を擬すも、夫婦であるからには主筋に害意をさし挟む不敵は同じことですぞ。かりそめにも、そんな真似をしてごらんなさい。たとえ夫婦はここに死すとも、ここに居る趙雲がおまえ方をゆるしては帰しません。また無事に逃げ帰ったところで、呉にいますわが母が、何でおまえ方をただおきましょう」
「…………」
「さ。お起ち。それが覚悟なら矛なり槍なり持って、わたくしの前に起ってご覧」
四人の大将は、ひとりも起ち得なかった。それにいつのまにか、玄徳は辺りに見えず、例の趙雲だけが、眼をいからして、夫人の傍らから離れずにいた。
三
追手の大将四人は、空しく夫人の車を見送ってしまった。この時も趙雲は、一手の軍兵を持って、最後まで四人の前に殿軍していたため、手出しはおろか、私語する隙間もなかったのである。
「残念だな」
「だが、あの女丈夫には、なんともかなわん」
是非なく、四人は道をかえした。そして十数里も来た頃である。一彪の軍馬と、颯爽たる大将が、彼方からきて呼びかけた。