Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Leggi 三国志(五) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.

N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 325.249 caratteri · 653 schermate

Aozora Bunko

風を呼ぶ杖

一

二人は高笑してやまなかった。魯粛も盃を挙げて、両雄の一致を祝した。ゆめ、人には洩らすなかれと、互に秘密を誓い合って、その夜は別れた。

風を呼ぶ杖

一

このところ魏軍江北の陣地は、士気すこぶる昂らなかった。

うまうまと孔明の計に乗って、十数万のむだ矢を射、大いに敵をして快哉を叫ばせているという甚だ不愉快な事実が、後になって知れ渡って来たからである。

「呉には今、孔明があり、周瑜もかくれなき名将。ことに大江をへだてて、彼の内情を知る便りもありません。ひとつお味方のうちから人を選んで、呉軍の中へ、埋伏の毒を嚥ませてはいかがでしょう」

謀将の荀攸は、苦念の末、こういう一策を、曹操へすすめた。

埋伏の毒を嚥ます――という意味は、要するに、甘いものに包んだ劇毒を嚥み下させて、敵の体内から敵を亡ぼそうという案である。

「さあ。それは最上の計だが、しかし兵法では最も難しい謀略といわれておるもの。――まず第一にその人選だが、誰か、よい適任者がおるだろうか」

曹操のことばに、荀攸は、考えを打ち明けた。

「先頃、丞相がご成敗になった蔡瑁の甥に、蔡和、蔡仲という者がいます。叔父蔡瑁がお手討ちになったため、いま謹慎中の身でありますが」