Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Leggi 三国志(五) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.

N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 325.249 caratteri · 653 schermate

Aozora Bunko

「統の献言はさすがであった」と、歓びをもらしていた。

だが、風浪がやまないので、全艦艇は江を下ることわずか数十里の烏林の湾口に碇泊した。この辺までも陸地は要塞たることもちろんである。そしてここまで来ると、呉の本営である南の岸は、すでに晴天の日なら指さし得るほどな彼方にあった。

「丞相。また不吉なりと、お気にさわるやも知れませんが、ふと、この烈風を見て、心にかかりだしたことがありますが」

程がこう彼に云い出したのである。

「何が不安か」

と、曹操が聞くと、

「なるほど、鎖をもって、船の首尾を相繋げばこういう日にも、船の揺れは少なく、士卒の間に船暈も出ず、至極名案のようですが、万一敵に火攻めの計を謀られたら、これは一大事を惹起するのではありますまいか」

「はははは。案ずるをやめよ。時いま十一月。西北の風はふく季節だが、東南の風は吹くことはない。わが陣は、北岸にあり、呉は南にある。敵がもし火攻めなど行えば自ら火をかぶるようなものではないか。――呉に人なしといえ、まさかそれほど気象や兵理にくらいものばかりでもあるまい」

「あ。なるほど」

諸将は、曹操の智慮にみな感服した。