Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Leggi 三国志(五) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 325.249 caratteri · 653 schermate
「宋謙を失ったか」と、痛哀してやまなかった。
長史張紘は、よい時と考えて、
「こういう失敗は、良き教訓です。君はいま御年も壮なために、ともすれば血気強暴にはやり給い、呉の諸君は、為にみな、しばしば、心を寒うしています。どうか匹夫の勇は抑えて、王覇の大計にお心を用いて下さい」
と、諫めた。
孫権も、理に服して、
「以後は慎む」と、打ちしおれていたが、翌日、太史慈が来てこういうことを耳に入れた。
「それがしの部下に、戈定という者がいます。これが張遼の馬飼と兄弟なのです。依って、密かに款を通じ、城中から火の手をあげて、張遼の首を取ってみせんといっております。で、それがしに今宵五千騎をおかし下さい。宋謙が仇を取ってみせましょう」
孫権は、たちまち心をうごかして、
「その戈定はどこにいるのか」と、たずねた。
太史慈は答えて、
「もう城中にいるのです。昨日の合戦に、敵勢の中にまぎれて、難なく城中に入りこんでいるわけで」
「では首尾はよいな」
「大丈夫です。こんどこそは」
太史慈は自信にみちていった。
孫権がこれを以て、昨日の敗辱をそそぐには好機おくべからざるものと乗り気になったことはいうまでもない。