Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Leggi 三国志(五) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 325.249 caratteri · 653 schermate
蜀境の戦乱は、まもなく、長江千里の南、呉へ聞えてきた。
「玄徳の野心は、ついに鋒鉦をあらわした。汝ら何と思うか」
孫権は、呉の重臣を一堂に集めて、こう穏やかでない顔して云った。
顧雍が答えていう。
「彼はついに、火中の栗を拾いに出たものです。自ら手を焼くにちがいありません。情報なおつまびらかでありませんが、荊州の兵力を二分して、その一をもって蜀に入り、長途のつかれを持つ兵をして、強いて国境の嶮岨に拠らしめ、今や漢中の張魯と、血みどろの戦をなしていると聞えまする。思うに、呉の無事なる兵をもって、荊州の留守を突かば、一鼓して、彼の地盤はくつがえりましょう」
「予もそう考えていたところだ。諸卿よろしく出師の準備にかかれ」
すると、議堂の屏風の蔭から、誰かひとり進み出て、甲高い声していった。
「誰じゃ、わが女に、危害を加えようとするものは」
おどろいて、その人を見れば、これは孫権の母公、呉夫人であった。
母公は猛りたって、
「そちたちは、江東八十一州の遺領を、いながらにうけて、父祖の恩に、今日を豊かに送りながら、なお荊州を望んで、どうするというのじゃ。荊州には、可愛い娘を嫁がせてある。