Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

白い虹

一

しばられたように、手足がすくんで、動こうとしても動けぬ門之丞。

ジッと上眼づかいに、左膳のようすをうかがうと――!

一つきりない左膳のひだり手の指が、まるで小蛇の這うよう……そろそろ、ソロソロと、右腰にさした豪刀の鯉口へ、かかってゆくではないか。

萩乃は?

ピタリと襖に背をはりつけて、手の甲を口に、眼を裂けそうに見ひらいて、立っている。

殺気は室内に満ちみちて、柱も、畳も、机も、物すべてが、はッはッと荒い呼吸をしているようだ。

脈動にうつる、ほんの一瞬前の静止。

来る気だな!――と門之丞が思った時。

グッと首をまげて突きだした左膳、あいている左の眼で、ニヤリと笑った。

左膳にこの笑いがくると、危険だ。

と、同時に。

左の膝をすこし折ったかと思うと、眼にもとまらぬ疾さでくりだした一刀の柄、それを、鍔元を握って顔の前に立てるが早いか、舌の先で、目釘をなめ湿している。

門之丞から見ると……柄のかげに、左膳の顔が、低くおじぎをしているようで。

だが。

額ごしの左眼は、不動金縛りの力で、強く門之丞を牽制しながら、左膳、口をひらいた。

木枯らしのような、がらがらした声。