Classici giapponesi con furigana
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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Leggi 土曜夫人 (どようふじん) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.903 caratteri · 213 schermate
熱演のタンゴバンドには十分満足していたが、ホールの気分を変えるためだった。
そして、茉莉の体を気づかって、事務室までついて来たダンサー達を、
「ホールだ、ホールだ。お客様が待ってる、何をボヤボヤしてるんだ。踊った、踊った」
と、ホールへ追いやった。
「でも、せめてお医者様が……」
来るまで、陽子は茉莉の傍についていたかった。茉莉とは一番親しかったのだ。が、
「大丈夫。心配はいらん。茉莉は事務所の者が見ている」
と、言われると、もはや陽子はマネージャーの言葉にはさからえなかった。
「京ちゃん、君も行って、踊ったらどうかね」
「おれか。冗談言うねえ」
と、京吉は茉莉の蝋ざめた顔を見ながら、マネージャーに言った。
「――病人と踊れるもんか。――といって、ほかのダンサーとじゃ、茉莉にわるいや。今夜はおれ、茉莉に借り切られてるんだから」
その言葉を、陽子は背中で聴くと、
「……? 茉莉があんたを……?」
と、振り向いて、京吉の傍へ添って行こうとしたが、しかし、事務室では詳しい話は聴けない。それに、マネージャーの眼がせき立てている。
陽子は眼まぜで誘って、京吉を事務所の外へ連れ出すと、