Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Leggi 土曜夫人 (どようふじん) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.903 caratteri · 213 schermate

Aozora Bunko

三

「しかし、そりゃ一寸気を廻し過ぎじゃないかな」

「いや。てっきりでさア。賭けてもいいね」

百パーセントそれでさアねと、坂野が言った時、アパートの階段を登る足音が、

「見よ、東海の朝帰り……」

という鼻歌と一緒に聴えて来た。

三

「坂野さん」

京吉は部屋の前まで来ると、馴々しい声を出した。

「――はいってもいい……?」

「あ、京ちゃんか」

それで、はいれと言ったのも同じだった。

「はいりますよ。うっかり、あけられんからね、この部屋」

京吉はドアを一寸あけて、首だけのそっと入れると、

「――おや、お客さん……?」

と、言いながら、はいって来た。そして、木崎に向って、ピョコンと頭を下げた。木崎はおや見たような顔だなと思いながら、挨拶をかえした。

「人ぎきの悪いことを言うなよ。――第一覗かれなくっても、もう手遅れでさアね」

逃げちゃったよと、坂野はケラケラと笑ったが、さすがに虚ろな響きだった。

「へえーん」

「京ちゃん、どう思う。女房のやつ男が出来たと、あたしゃ思うんだが、どうかね。おたくの観察は……」

「そりゃ、てっきりですよ」

京吉は香車で歩を払うように、簡単に言った。

「――女って、だらしがねえからな。