Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Leggi 土曜夫人 (どようふじん) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.903 caratteri · 213 schermate

Aozora Bunko

四

「お父さんは……?」

「監獄……。未決に……」

はいっているのだと、ケロリとした顔で言ったが、ふと声を弾ませると、

「――未決にはいっていると、金が要るねン。差入れせんならんし、看守にもつかまさんならンし、……それに、弁護士は金持って行かなんだら、もの言うてくれへん」

そんな心配を、この娘がしているのかと、驚いて、母親はあるのかときくと、いきなり、

「お母ちゃん、きらいや」

と、その言葉のはげしさはなお意外で、ピリピリと動く痩せた眉のあたりを見ていると、

「――あんな妾根性の女きらいや。男ばっかし……」

こしらえているようだった。が、木崎はそれ以上きく興味もなく、

「もう寝ろ!」

と、押入れから蒲団を引き出した。

娘は急に固い表情になって、木崎の動作を見つめていた。

四

その固い表情に、木崎はふと女を感じながら、夜具を敷こうとすると、娘ははっとしたように飛び上って、部屋の隅へ後ろ向きに立った。

六畳のうち、二畳は暗室に使っているので、狭い。だから、夜具を敷く邪魔にならぬように起ち上って隅の方へ寄った――という風に考える方が自然だろうが、やはり飛び上ったと感じたのは、木崎の思いすごしだろうか。