Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Leggi 土曜夫人 (どようふじん) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.903 caratteri · 213 schermate

Aozora Bunko

暮色

一

今日中に払うよ。銀ちゃん、そんなんかね。おれ見直すよ。感じ悪いや。払やいいんだろう」

プイと怒って、出てしまった。銀ちゃんは憂欝な顔で卓子へ戻って来た。

「銀ちゃん、どうした。女に振られたんじゃないですか。元気溌剌じゃないですな」

坂野はうかぬ顔でパイを撫ぜていた。

「そういうおたくも、からきし元気溌剌じゃないね」

「あッしですか。」

坂野は苦笑して、

「――女房逃げちゃったンでさア」

「へえン」

「だから、ショボショボしょげてるッてんじゃねえですがね。人間あんまり腹が立つと、目まいがしていけねえ。くらくらッとね」

「大事にしてくれよ」

「女房をですかい」

「いえさ、体を。ヒロポン打ちすぎるンじゃないか」

「大丈夫でさア。漫才のワカナは一日六十本打ってもピンピン生きてまさア。それより、銀ちゃん、アルプはいけませんぜ。あれ航空燃料だといいますぜ、しまいにゃ、アップアップ、てっきりでさアね」

「うん。てっきりだね」

銀ちゃんはそっと坂野の顔色をうかがったが、急に、

「――おい、場をきめよう! どうせ短い命だ!」

喧嘩腰のような声になった。

暮色

一

東京や大阪のバラック建ての喫茶店は、だいいち椅子そのものがゴツゴツと尻に痛く、ゆっくり腰を落ちつけて雰囲気をたのしむという風には出来ていないが、さすがに京都の喫茶店は土地柄からいっても悠長