Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Leggi 土曜夫人 (どようふじん) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.903 caratteri · 213 schermate

Aozora Bunko

いつ逃げたんだ。昨夜……? ふーん、そうだろうと思った。土曜日だからね」

土曜の夜は女のみだれる晩だという、藪から棒の京吉の意見の底には、古綿を千切って捨てるような、苛立たしいわびしさがあった。

「そうか。おたくもそう思うか」

坂野はいきなり京吉と握手した。木崎はふと顔をそむけて、自分だけがひとり女の弁護にまわりたい気になっている矛盾を、煙草のけむりと一緒に吐きだしていた。しかし、坂野が、

「ねえ、木崎さん、あたしゃ、絶対許しませんよ。許してやれなんて、身上相談の解答こそ、まさに許しがたいと思いませんかね」

と、言うと、はや木崎はいつもの木崎であった。

「いや、こんな解答が平気で出来るという点が、身上相談担当の重要な資格になるんだよ。いちいち、質問者の心理の底にまではいっておれば、結局解答者は失格さ。警察へ届けて姦夫を処罰して貰え、女房は許してやれ。――こんなお座なりの解決で気が済むなら、誰も身上相談欄へ手紙を出すもんかね。財布を落しても、今時、警察へ届けろなんて、月並みなことを言う奴はいないよ。姦夫を処罰して貰ったって、悩みは残るさ。前非を悔いているから、許してやれ――か。