Classici giapponesi con furigana
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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Leggi 土曜夫人 (どようふじん) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.903 caratteri · 213 schermate
しかし、銀ちゃんは今では元橋という名を捨てて掛っている。与太者としての顔を、敗戦後のどさくさまぎれの世相の中で利かすことをむしろ軽蔑し、わざとグッドモーニングの銀ちゃんなどという安っぽい綽名を作って、自嘲しているのだった。
銀ちゃんにいわせると、与太者というものは、結局バクチ打ちで、女たらしで、宵越しの金を持たぬ、うらぶれた人種だというのである。ところが、銀ちゃんの仲間の多くは、闇市のボスになり、キャバレーと特殊関係を作り、またたく間に産をなして、もはや宵を越さずに使おうと思えば四十万円、百万円の別荘を買うよりほかに方法がない。げんに買った連中がいる。
敗戦当時、彼らはよれよれの国民服に下駄ばきだった。しかし、半月ばかりすると、彼等は靴をはいていた。五日たつと、ジャンパーを着ていた。三日たつと、りゅうとした背広を着て、革の鞄をさげていた。間もなく髭をはやし、目もさめるような美人を連れてホールで踊っていた。そして、ついに別荘を買ったのである。ところが銀ちゃんは、
「与太者が企業家になって、別荘を買うとは何たるキャッキャッの世の中だ。別荘から出て来たと思ったら、もう別荘を買ってやがる」