Classici giapponesi con furigana
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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Leggi 土曜夫人 (どようふじん) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.903 caratteri · 213 schermate
「おばちゃん、京ちゃんどこへ行ったのか知らん……?」
ねえ、教えてよと、カラ子はもうキンキンした声だった。
「京ちゃんか……? 京ちゃん東京へ行っちゃったよ……おほほ」
口から出任せだったが、しかし、京ちゃんなんか東京へ行ってしまえという夏子の気持が、そう言わせていたのかも知れない。
「――一緒にリベラルクラブに行ってくれたら、こんなことにならなかったんだ。いや、あたしはね、おほほ……、京ちゃんとだったらこんなみじめな気持にならなかったわよ。おほほ……。安ブランデーか、安ホテルか、ガタピシのベッドか、おほほ……。髭をはやしてやがった。髭をはやした男大きらい! あたしは刺戟のある男はきらい! あいつひどい腋臭だった。ほら、まだあたしの手にしみこんでる!」
ペッペッと、右の手に唾を掛けて、げっぷをしていた。
「おばちゃん、お酒のんだの……?」
「のんだよ。おばちゃんはもうあかん! おばちゃんは汚れちゃった。おほほ……。でも、いいわよ。あたしは自由、リベラルクラブよ。おほほ……。京ちゃんは東京へ行っちゃったよ」
「ほんとね……?」
あたいも東京へ行く――と、カラ子はさいならという声を残して、横丁を出た足で河原町通りを京都駅の方へ歩いて行った……。