Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Leggi 土曜夫人 (どようふじん) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.903 caratteri · 213 schermate

Aozora Bunko

三

三

春隆はちょっとあわてた。

貴子のショートパンツは、尻の重みに圧されて、皺をくぼませていたので、起ち上った時は腰のまるみが裸の曲線とそっくりに二つに割れて、ふと滑稽な、しかしなまなましい色気が後姿に揺れていた。

むき出した膝から下も、むっちりと弾んで、若くから体を濡らして男の触感に磨かれて来た女の、アクを洗いとったなめらかな白さに、すくっと伸びていた。

陽子を待ちわびている春隆には、べつに心をそそるほどの魅力でもなかったが、やはりふとその後姿に眼が注がれて、じっと見送っていたので、いきなり貴子がひきかえして来ると、さすがにあわてたのだ。

いきなり……だが、しかし、のっそりと貴子ははいって来ると、声もしずかに、

「この次いらっしゃる時は、お一人でいらっして下さいね」

北海道生れだが、案外訛りのすくない言葉で言って、またしずかに出て行った。

貴子は、同時に何人もの男をつくるのは平気であったが、その代り、その埋め合せといわんばかしに、男が何人も女をつくるのには平気でおれなかった。何人も女をつくる男は不潔だと思うことが、この何人も男をつくる女の潔癖を辛うじて支えているのだろうか。