Classici giapponesi con furigana
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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Leggi 土曜夫人 (どようふじん) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.903 caratteri · 213 schermate
六
六
貴子ははっとした。
「チマ子をくれって、あなたあの子に……」
惚れてるの――と、あとの方はあわてて冗談にしてしまった。
「阿呆ぬかせ。――しかし、あの子は面白い子や。おれの顔を見ると、いつも白い侮辱したような眼で、にらみつける。おれはああいう眼を見ると、なんぼでも、おれの財産ありったけでも、出して、おれの自由にしたい――いう気になるンや。あはは……」
章三は三十五歳に似合わぬ豪放な笑いを笑ったが、しかしふと虚ろな響きがあり、おまけに眼だけ笑っていなかった。それが油断のならぬ感じだ。
「金さえ出せば、女はものになると……」
思ってるのねと、貴子は浴衣の紐を結んだ。
「君のような女がいる限り、男はみなそない思うやろ。君は男と金を同じ秤ではかってる女やさかいな」
「いやにからむのね」
「いや、ほめてるんや。女はみなチャッカリしてるが、しかし君みたいに、徹底したのはおらんな。男に金を出させといて、その男を恨んどるンやさかい、大したもンや」
「女ってそんなものよ。自分の体を自由にする男は、ハズだってどんなに好きなリーベだって、ふっと憎みたくなるものよ」
「つまり、おれなんか憎くて憎くてたまらんのやろ」