Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Leggi 土曜夫人 (どようふじん) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.903 caratteri · 213 schermate

Aozora Bunko

「バンドがよくって、好きな曲で、リードの素晴らッしく巧い奴と踊ってると、よっぽど生理的にいやな奴でない限り、ふっと、こいつに口説かれてみたい――と思うことがあるわ」

と、浮気なダンサーが言っているが、身持ちの固いダンサーでも、ダンスの三昧境へ巧みにリードされて行くと、ふっと相手に身を任しているような錯覚に、ゆすぶられることもあるという。

ダンスの持っている強烈な、――殆んど生理的なリズムにまで燃える魅力の一つであろうか。

京吉はそんな魅力を持っている少数の一人だった。

おまけに、美貌だ。

二十三歳だが、十代に見えるくらい、一見無邪気な可愛いい顔立ちで、ほっそりと痩せた横顔の青白さは、まるで胸を病む少女のようにいじらしく、ふと女たちにはやるせなかった。が、美しい眉に翳るニヒルな表情や、睫毛の長い眼のまわりの頽廃的な黝ぐろい隈や、キッと結んだ唇の端にちらと泛ぶ皮肉な皺は、何かヒヤリとした苦味のアクセントを、京吉の顔に冷たく走らせて、ふと三十男のようであった。

ハンサムという言葉では、当らない。いわば、女たちをうっとりさせると同時に、ぞっとした寒気を感じさせる美貌だ。