Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
の音、くるくるひとり働いている。「どうです、ここのコーヒー」ぼくらばかりでなく、一卓の諸氏に同感を求める。一日たっぷり、筋肉で働き、筋肉で味わっているお客たちである。労働の憩いの中に、ぼくらもしばし雰囲気を味わわせてもらう。
車を返し、町を歩く。元町のモダーン寺の近所と聞く。ぼく、神戸は終戦後、初めての夜歩き。ガード下といわれても、なんと聞いても、かいもく分からない。こんどは、嘉治さんの案内、ハナワグリルにはいる。小さいバンガロー風。なにしろ、ぼく、足が冷えるので、煉炭火鉢へ靴をのせ、行儀わるく、ロシヤ・スープ、料理一品を食べる。ここの主は、ハルピンからの引揚者とか。この夜のボルシチ(ロシヤ風の野菜を主とした肉入りスープ)の味、東京にも、こんな一軒が、どこかにあったらいいなあと思うほど、今でも忘れがたい。
出る。タンペイに寄る。砕花老のたずねるマダム不在。みなアルコール気のないカクテルという註文に、ミス神戸たちから愍笑を買う。西銀座、土橋界隈とくらべて、やはり神戸を感じる。けれど、何がというほど、こういう文化を語るセンスがぼくの方にない。かえって、けさ行った江口の尼さん二人をこんな所で思い出す。