Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Leggi 三国志(一) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 309.839 caratteri · 622 schermate

Aozora Bunko

両軍の陣々にあった国々の諸侯も、みな酒に酔ったように、遥かにこれを眺めていた。そのうちに呂布の一撃が、あわや玄徳の面を突こうとした刹那、

「えおうッ」

「うわうッ」

双龍の水を蹴って、一つの珠を争うごとく、張飛、関羽のふたりが、呂布の駒を挟んだ。

呂布の鞍と、関羽の鞍とが、打つかり合ったほどだった。

ダダダダ――と赤兎馬は、蹄を後ろへ退いた。とたんに、

「こは敵わじ」

と思ったか、呂布は、

「後日再戦」

と三名の敵へ云いすて、いっさんに馬首をかえして、わが陣地のほうへ引返した。

――ここで彼を逸しては。

とばかり玄徳、関羽、張飛の三騎も駒をそろえて追いかけた。

「あす知れぬ士同士だぞ。戦場の出合いに後日はない、返せっ呂布ッ」

と玄徳がさけぶと、

――ぴゅッん

と呂布から一矢飛んできた。

呂布は、駒を走らせ走らせ、振返って、獅子皮の帯の弓箭を引抜き、

「悪しければ、おれの陣まで送って来い」

とまた、一矢放った。

三本まで射た。

そして、またたく間に、虎牢関の内へ逃げこんでしまった。

「残念っ」

張飛も関羽も、歯がみをしたがどうしようもない。

それもその筈、一日千里を走る赤兎馬である。