Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Leggi 三国志(一) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 309.839 caratteri · 622 schermate

Aozora Bunko

――それを一万やそこらの小勢で、追討ちをかけるなど、曹操もまだ若い」

と、その拙を嘲笑った。

半焼となっている内裏の鴛鴦殿で、一同は小盞を酌み交わしてわかれた。

折ふし黄昏れかけてきたので、池泉の畔には芙蓉の花がほの白く、多恨な夕風に揺れていた。

諸侯はみな帰ったが、孫堅は二、三の従者をつれて、なお去りがてに、逍遥していた。

「ああ……そこらの花陰や泉の汀で、後宮の美人たちがすすり泣きしているようだ。兵馬の使命は、新しい世紀を興すにあるが、創造のまえに破壊がともなう。……ああいかん、多情多恨にとらわれては」

ひとり建章殿の階に坐って、星天を仰ぎ、じっと黙思していた。

茫――と、白い一脈の白気が、星の光群をかすめていた。孫堅は、天文を占って、

「帝星明らかならず、星座星環みな乱る。――ああ乱世はつづく。焦土はここのみには、止まるまい」と、思わず嘆声をあげた。

すると、階下にいた彼の郎党のひとりが、

「殿。……なんでしょう?」

怪しんで指さした。

「なにが?」

孫堅も、眸をこらした。

「さっきから見ていますと、この御殿の南の井戸から、時々、五色の光が映しては消え、映しては消え、暗闇で宝石でも見ているようです。