Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Leggi 三国志(一) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 309.839 caratteri · 622 schermate
冠の纓の切れている者が下手人です」
と、自分の貞操をも誇るような誇張を加えて訴えた。
すると荘王は、どう思ったか、
「待て待て」と、今しも燭を点じようとする侍臣を、あわてて止め、
「今、わが寵姫が、つまらぬことを予に訴えたが、こよいはもとより心から諸将の武功をねぎらうつもりで、諸公の愉快は予の愉快とするところである。酒興の中では今のようなことはありがちだ。むしろ諸公がくつろいで、今宵の宴をそれほどまで楽しんでくれたのが予も共にうれしい」
と、いって、さてまた、
「これからは、さらに、無礼講として飲み明かそう。みんな冠の纓を取れ」と、命じた。
そしてすべての人が、冠の纓を取ってから、燭を新たに灯させたので、寵姫の機智もむなしく、誰が、女の唇を盗んだ下手人か知れなかった。
その後、荘王は、秦との大戦に、秦の大軍に囲まれ、すでに重囲のうちに討死と見えた時、ひとりの勇士が、乱軍を衝いて、王の側に馳けより、さながら降天の守護神のごとく、必死の働きをして敵を防ぎ、満身朱になりながらも、荘王の身を負って、ついに一方の血路をひらいて、王の一命を完うした。
王は、彼の傷手のはなはだしいのを見て、