Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Leggi 三国志(一) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 309.839 caratteri · 622 schermate
「もったいない。私が戻りましたからには、そんなことは、玄徳がいたします。もうご不自由はさせません」
「いいえお前はまた、あしたから働いておくれ。稼ぎ人だからね、婆やも下僕もいなくなったのだから、台所のことぐらいは、わたしがしましょうよ」
「留守中、そんなことがあろうとは、少しも知らず、つい旅先で長くなって、思わぬご苦労をかけました。さあ、こんな大きな息子がいるんですから、おっ母さんは部屋へはいって、安楽に寝台で寝ていて下さい」と、いって劉備はむりに母の手を誘ったが、考えて見ると、その寝台も税吏に税の代わりに持って行かれてしまったので、母の部屋には、身を横たえる物もなかった。
いや、寝台や箪笥だけではない。それから彼が灯りを持って、台所へ行って見ると、鍋もなかった。四、五羽の鶏と一匹の牛もいたのであるが、そうした家畜類まで、すべて領主の軍需と税に徴発されて、目ぼしい物は何も残っていなかった。
「こんなにまで、領主の軍費も詰まってきたのか」
劉備は、身の生活を考えるよりも、もっと大きな意味で、暗澹となった。
そして直ぐ、
「これも、黄匪の害の一つのあらわれだ。