Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Leggi 三国志(五) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.

N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 325.249 caratteri · 653 schermate

Aozora Bunko

「……?」

怪しく手がふるえた。――蒋幹の眼は細かに動いて、幾たびも、周瑜の寝顔にそそがれ、また、書簡の幾通かを、次々に、迅い眼で読んで行った。

愕然、彼の顔色を変えさせた一片の文字がある。見おぼえのあるような手蹟と思って、ひらいてみると、果たして、それは曹操の幕下で日常顔を見ている張允の手簡ではないか。

蔡瑁、張允啓白。

それがしら、一旦、曹に降るは、仕禄を図るに非ず、みな時の勢いに迫らるるのみ。今すでに北軍を賺めて寨中に籠めしむ。みな生らが復仇の意謀にもとづいてかく牽制するところの現われなり。

今し、南風に託し、一便の牒状をもたらしたまわば、即ち、内に乱を発し、曹操の首を火中に挙げて呉陣に献ぜん。是れ、故国亡主の怨をすすぐ所にして、また天下の為なり。早晩人到り、回報疾風のごとくあらんことを。敬覆、深く照察を乞い仰ぐ。

「う、う。……うーむ」

ふいに周瑜が寝返りを打った。蒋幹はあわてて燈火をふき消した。そしてしばらく様子を見ていたが、また大いびきをかいて寝入ったらしいので、自分もそっと、衾を打ちかついで牀のうえに横たわっていた。

――すると、帳外の扉を、誰かコツコツと叩く者がある。