Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Leggi 三国志(五) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 325.249 caratteri · 653 schermate
かねて、巧みに偽装して、先頭に立てて来た一団の爆火船隊――煙硝、油、柴などの危険物を腹いっぱい積んで油幕をもっておおい隠してきた快速艇や兵船は――いちどに巨大な火焔を盛って、どっと、魏の大艦巨船へぶつかって行った。
ぐわうっと、焔の音とも、濤の音とも、風の声ともつかないものが、瞬間、三江の水陸をつつんだ。
火の鳥の如く水を翔けて、敵船の巨体へ喰いついた小艇は、どうしても、離れなかった。後で分ったことであるが、それらの小艇の舳には、槍のような釘が植えならべてあり、敵船の横腹へ深く突きこんだと見ると、呉兵はすぐ木の葉のような小舟を降ろして逃げ散ったのであった。
なんで堪ろう。いかに巨きくとても木造船や皮革船である。見るまに、山のような、紅蓮と化して、大波の底に沈没した。
もっと困難を極めたのは、例の連環の計によって、大船と大船、大艦と大艦は、ほとんどみな連鎖交縛していたことである。そのために、一艦炎上すればまた一艦、一船燃え沈めばまた一船、ほとんど、交戦態勢を作るいとまもなく、焼けては没し、燃えては沈み、烏林湾の水面はさながら発狂したように、炎々と真赤に逆巻く渦、渦、渦をえがいていた。