Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Leggi 三国志(五) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 325.249 caratteri · 653 schermate
「妻よ、わが妻よ。ここまでは共に来たが、玄徳はついにここで自害せねばならぬ。御身はない縁とあきらめて、ここより呉へもどられよ。九泉の下で後の再会を待つであろう」
夫人は、簾をあげて、おどろきと涙の面をあらわした。
「再び呉へ帰るくらいなら、ここまでも参りません。どうして急にそんなことを仰っしゃるのですか」
「でも、呉侯の追手は前後に迫ってくるし、周瑜もそれを励まして、百方路をふさいでいる。所詮、捕われて曳かれるものなら、生き辱をかかないうちに、いさぎよく自害して果てたがましと思うからだ」
ところへ早くも、徐盛と丁奉は、部下を率いてここへ殺到した。夫人はあわてて玄徳を車のうしろに隠し、簾を払って地上へ跳び降りた。
「それへ来たのは何者です。主君の妹に指でもさしてご覧、おまえたちの首は、わたくしの母君が、半日だってそのままにしておきはしませんから」
と、鈴音を振り鳴らすように声を張っていった。
「おお、呉妹君におわすか」
と、徐盛と丁奉とは、思わず地へひざまずいた。主筋ではあるし、この女性の凡の女性でないことは、呉の臣下はみな知っていた。いや知っているだけでなく、その男まさりな凛々たる気性や、母公だの兄孫権だのを動かす勢力にはある懼れすら抱いていたのだった。