Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Leggi 三国志(五) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 325.249 caratteri · 653 schermate
東武亭侯侍中尚書、鍾、字は元常であった。
この人は、当代に於て、隷書を書かせては、第一の名人という評がある。すなわち七言八絶を賦って――
銅雀台ハ高ウシテ上天ニ接ス
眸ヲ凝セバ遍ス旧山川
欄干ハ屈曲シテ明月ヲ留メ
窓戸ハ玲瓏トシテ紫烟ヲ圧ス
漢祖ノ歌風ハ空シク筑ヲ撃チ
定王ノ戯馬謾ニ鞭ヲ加ウ
主人ノ盛徳ヤ尭舜ニ斉シ
願ワクハ昇平万々年ヲ楽シマン
と、高吟した。
「佳作、佳作」
曹操は激賞しておかなかった。そして彼には、一面の硯を賞として与えた。拍手、奏楽、礼讃の声、台上台下にみちあふれた。
「ああ、人臣の富貴、いま極まる」
曹操は左右の者に述懐した。彼はこういう中でも反省した。
「――とはいえ、もしこの曹操が出なかったら、国々の反乱はなお熄まず、かの袁術の如く、帝王を僭称するものが幾人も輩出したろう。幸いに、自分は袁紹、劉表を討平し、身は宰相の重きにあるといえ、或いは疑いを抱いて、曹操も天下を纂奪する野心があるのでないかなどという者があるかもしれぬが、われ少年の日、楽毅之伝を読むに――趙王が兵を起して燕国を討とうとしたとき、楽毅は地に拝伏し、その昔日、臣は燕王に仕えり、燕を去るも燕王を思うこと、なお今日、あなたに仕える真心と少しも変りはない。