Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Leggi 三国志(五) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.

N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 325.249 caratteri · 653 schermate

Aozora Bunko

「つづけ」

「離れるな」

と、馬超の将士四、五十人も死物狂いに突貫した。人、人を踏み、馬、馬を踏み、曹軍の一角は、血を煙らせて、わっと分れる。

けれど、馬超に従う面々は、随処にその姿を没し、彼はいつか、ただ一騎となっていた。

「近づいてみろ。この命のあらん限りは」

鎗は折れたので、とうに投げ捨てている。敵の矛を奪って薙ぎ、敵の弩弓を取って、撲りつけ、馬も人も、さながら朱で描いた鬼神そのものだった。

――が、いくら馬超でも、その精力には限度がある。もうだめだと、ふと思った。

(もう駄目)

それをふと、自分の心に出した時が、人生の難関は、いつもそこが最後となる。

「くそっ、まだ、息はある」

馬超は気づいて、自分の弱音を叱咤した。そしてまた、目にも見あまる敵軍に押しもまれながら、小半刻も奮戦していた。

折しも西北の方から一手の軍勢がこれへ馳けてきた。思いもよらず味方の馬岱、※(「广+龍」、第3水準1-94-86)徳だった。曹軍の側面を衝いてたちまち遠く馳けちらし、

「それっ、いまの間に」とばかり、馬超の身を※(「广+龍」、第3水準1-94-86)徳が鞍わきに抱きかかえると、雲か霞かのように、遠く落ちて行った。