Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Leggi 三国志(五) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.

N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 325.249 caratteri · 653 schermate

Aozora Bunko

「君たちも、現状のままでは、必然、蜀が亡ぶしかないことは知っているだろうが、もしそうとしたら、この蜀に、たれを起死回生の主君と仰ぎたいかね」と、ふたりに訊ねた。

法正は、怪訝な顔して、

「そのために君は、遠く使いして、魏の曹操に会ってきたのじゃないか。曹操との交渉に、何かまずいことでもあったのかね」

「まずい。甚だまずい結果になった。で、実は、君達だけに打明けるが、おれは途中から気持が変った。蜀へ曹操などを入れたら、蜀の破滅を意味するだけで、蜀の民の幸福にはならん」

「では、誰を迎えるのか」

「だから今、君たちに、そっと意中を訊いてみたわけさ。忌憚ないところをいってくれ給え」

「それはほんとか」

「たれが君らを欺こう」

「ふーむ……」と、法正はうめいて、「わしならば、荊州の劉玄徳とむすびたいと思うが」

孟達の顔を見ると、孟達も、ひとみをかがやかして、

「そうだ、曹操へ蜀を献じるくらいなら、玄徳を主と仰いだほうがはるかにいい。本来、初めから玄徳へ使いすべきであったよ」

聞くと、張松は、莞爾として「実は……」と、あたりを見まわした。そして二人の顔へ、顔を寄せて、許都を去ってから荊州へ立ち寄った事情やら、玄徳とある黙契をむすんで来た事実を打明けた。