Classici giapponesi con furigana
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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Leggi 土曜夫人 (どようふじん) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.903 caratteri · 213 schermate
京吉はそんな容子をにやにや見ていたが、急に、
「おれ帰るよ。ヒロポンもりもり効いてやンね。辛抱たまりやせんワ!」
と、起ち上ると、はや麻雀のパイの、得意の青の清一荘(チンイチ)の頭に浮んだ構図にせき立てられるように、
「――さいなアら! 御免やアす」
舞妓のように言って、出て行った。
そして、管理室の横を通り掛ると、
「……木崎さん、お留守ですわよウ!」
と、はすっぱなおシンの声が聴えていた。苦笑しながら、京吉は玄関を出て行ったが、ふと立ち停ると聴き耳がピンと立った。
「――盗難……? あ、写真機ですか。あ、それでしたら、昨夜たしか……」
おシンがそう言いかけた時、京吉はいきなり管理室へはいって、おれにかせと、おシンの手から受話機を奪い取って、
「あ、もしもし。何でしたっけね」
「あなたは……?」
電話の声はいかにも口髭が生えていた。
「僕ですか。えーと……」
にやりと笑って、
「――事務所の者です。今出てました女中は一寸頭のゼンマイがゆるんでますので、僕が代りました」
おシンに背中をどやしつけられながら、京吉は肚の中でケッケッと笑い声を立てていた。
「木崎さんは……」