Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Leggi 土曜夫人 (どようふじん) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.903 caratteri · 213 schermate

Aozora Bunko

やっぱしピンボケみたいなもの……?」

夏子は「カマトト」ではなかったのだ。千代若と一緒に、キャッキャッと遊びまわったりすることが、何となく浮々と面白くて、にわかに不良マダムめいていたが、夏子はやはりうぶだった。スリルは感じても、体をよごすのは怖く、何にも知らなかった。見かけ倒しの不良マダムだった。共同経営者の他の二人が、抑留者の引揚げ促進運動のデモに参加することと、店へ来る客と大津へ泊りに行くことを、ちゃんと使い分けているのを、びっくりしたような眼でながめていたのだ。

「ピンボケ……? あはは……。朝帰りの女の電話を待つのは、ピンボケかポン引ぐらいなもんだ。おれ趣味じゃねえよ」

「あら、あら。本当に帰るの……?」

「電話掛ったら、おれもう京都にいねえよと、言っといてくれ」

「本当、それ。あたしあんたにリベラルクラブへはいって貰おうと思ってたのよ。知ってるでしょう、リベラルクラブ。同伴者がなければ入会できないのよ。アベック、素敵じゃないの。おほほ……」

場ちがいのけたたましい笑いだった。

「アベックか。ふん」

鼻の先で笑って、

「アベックは旅に限るよ。旅は道連れ、一夜は情けか」