Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
馬琴の弓張月にも、露伴の二日物語にも、白峯は書かれている。けれど雨月物語の「白峯」には及ぶべくもない。秋成はあの作品で、自分が作中人物の西行になりすましている。魔界の崇徳院を雲中に描き出し、その怨霊と問答をやるのである。――西行の出家の動機を「世の佞仏流行に乗じて、自己保身を目的とした一つの利欲だ」と崇徳院に罵らせ、また、崇徳院の保元の乱を「わたくしの戦で、人道でない」と、西行にやりこめさせている。
歴史小説のテクニックを用いて、秋成はいいたいことをあの中でいっているようだ。幽界と現世との大論戦に、虚空は鳴りはためき満山の木々は慄い、岩峭も揺れおののく――といったような幽玄哀切を描きながら、一面にまた彼の皇室観、宗教観、人生観なども余していない。あんな小篇ではあるが初めからしまいまで、一大音楽を聞くような思いに人をひき入れてゆく。ひどく東洋色の濃い経典小説といったような趣がある。西鶴はよく繰返し読まれているが、秋成の「白峯」なども、永遠に消えない古典の星の一つであろう。そしてそのヒントと構成の裏づけが、西行の白峯紀行から出たものであることもまた、いうまでもない。